感傷:聖なる約束と愚かな計画

ずっとずっとクリスマスイヴの子供みたいに。
ずっとずっと初デートの待ち合わせに早く着いちゃった男の子みたいに。
ずっとずっと教会の完成を待つ広場の噴水みたいに。
ずっとずっと遥か命の源の、海まで流れる笹船みたいに。



とほうもなく広がる光に塗れた残酷な景色を眺めた。
どうしようもなくハウッてばかりのマイクの前で声を枯らした。

道行く人の眼鏡を全部割ろうとして突き指ばっかして、
あなたの声から勝手に包帯を生み出して巻いた。

雨粒に笑われてプリズムに逃げたらそれでもなお笑われた。


幼くて悲しかった。
大人びて悲しかった。
体小さくて悲しくて、
心狭くて悲しかった。


雑草大量に抱えてプレゼントしに行った。
それでも笑ったね。
何度も何度もあげようとした。
重かったでしょう。それでも笑ったね。



ふたり宇宙をみてた。
ビジュアルが違うのに同じ星ばかりある、へんてこなパラレル・ワールドに吸われた、幼い孤独。
ふたり宇宙で待ち合わせ。

すべての日々を越えて、
すべての夜を流れて、
すべての「愛」を置き去りにして、
すべての“愛”を連れてくるって口約束。






でもねでもね。
最近の僕は贅沢者さ。
今ここで落ち合って手つないで宇宙にいかないか、って控えめなプロポーズ、企んだりしちゃうんだ。

洒落てるだろ?
ピンクの薔薇、ケアフリーワンダーも添えて、ラブ・レターとラブ・プレゼント。




だけどねだけどね、最近の私は贅沢者なの。
今ここから連れ出して。って、得意のブラックチェリーの瞳でおねだり企んだりしちゃいそう。
ピンク色のダイヤの眼をした、兎をかたどったリングがいいなあ。





はっきりしてゆく視界と、
曇ってゆく雨の日。

はっきり見えるあのバス停と、
あなたにずっと会いたいまま。



ファンファーレの余韻は続く。
呼応して、反復。
呼応して、反復。
その心に寄り添うことをただひたすらに。絶対さ!最重要事項を愛してしまった。生きる喜び。


ずっとずっと囚われた、かわいそうなぼくらに。
ずっとずっと歩き続けられる、凛としたぼくらに。


一本道を走る、矢のようなぼくらに。
霧の中に溶ける、曖昧なぼくらに。

ドジ踏んで笑いだして止まらなくなって息が苦しいくらいに、むせかえる愛おしさに許されたぼくらに。


きっと会いに行こう。



さあ目を開けたらまた、
物語はページの先へ。