二人のためにあったんじゃないか

すごい
私はわかるぞ
あなたの温度がわかったぞ
おいおい君たちみたいな鈍いやつらにはとうていわからないかも知れないが
私はわかったぞ
言葉にしたら溶けて消えちゃうかもしれないから
説明したげることはできないけどさ
わかったんだぞ
見つめあって、話を聞いて
一瞬悲しい顔をして、すぐにおどけて
笑ってくれたのわかったら、すぐに一緒に笑いあって
それだけですべての真実に一瞬だけ触れたようで

なんだあ、なにもかも大丈夫じゃないか、と思った
心からそう思った
全てが大丈夫だと、うまくいっていることばかりだと
とっくにわかっていたけれど
その安心を二重にするように
ぜったい大丈夫だって確信を持った

今私はなにもこわくない
二人の手が繋がれないままどちらかの人生が結末を迎えても
それでもどこか大丈夫なきがしている
それほど強固な真実を見つけた

私にはわかったぞ
きっとあなたも同じようにわかっただろう
わかったってこともわかったぞ
なんだ二人ははじめから、満天の夜空の下で星の数を数えていたんじゃないか
なんだ二人ははじめから、手をつないだまま穴に落ちたんじゃないか
なんだ二人ははじめから、心と心を繋いで生まれ生きてきたんじゃないか





そうさ、世界は