Diva。届くかな。

明日になっても消えない。
信じるということは自分で決めること。他の誰にも出来ないこと。
代わる代わる新しい君が姿を現したが、私はそのどれもが好きだった。
どこかのバンドの汚いベースの音に、溶かされた昨日の憂鬱に、簡単に色を変えさせられて行く君が、もう目を真黒に染めるとき、それに気付いた私に気付くと、鏡を見たような顔をした。
その眉毛の角度も赤い鼻も、逸らした目の金色の星々も私の世界で一番美しい国
私その石畳の上を、星座の下を、冷たい水の流れる川のすぐ近くを、歩いて行けるならもう何も要らない。
自分を卑下すれば許されるというような風潮をまずは無視しようね、なんて事を守っても尚弱音を吐きたくなるくらい、私は胸に咲いた花を言い表す言葉も音もわからない。
何度千切って君に渡したつもりになっても気付いたら此処で揺れている。
何度泣き出せば涙は涸れるのか、何度染めれば頬はまた冷えるのか、何m上がれば大気圏を越えるのか、窒息しそう、こんなに呼吸がしていられるなんて窒息しそう。


鏡を見て君はいつもなんだか泣き出しそうな顔をするね。
そのとき世界は完全なんだよ。
Diva,君が唄った寂しさを私は、出逢った頃からずっと、ずっと宝物にしてるんだ。変だろ。
哀しみの置き場所さ。


愛を君に。
たった一言を言う為にも、地上の果てまで行ってぼろぼろになって帰ってくる。
詩人はリンゴを齧っていっそう愚かになった。
葉っぱと花びらを頭にいっぱいつけて、今日も泣きそうな顔をして突っ立っている。
渡す勇気を削りだす前にどうしてそれを取りに行ったの。
手にきつくきつく握りしめたたった一言は。
ねえ私が何をしてもそれには敵わないのかもね。
消えないよ。消えない。君が要らないって言っても一生分。私の命を。
消えないよ。消えない。私の心は君のもの。要らないって言っても引き取らないんだから。
Diva,世界は君の為にあるって、私なら証明出来るかい。
何度千切って君に渡したつもりになっても気付いたら此処で揺れているから、此処に居て。
見えるかな。見えるかな。
逢いたかったんだ。生まれる前からずっとだよ。本当だよ。



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